専任技術者とは?資格・実務経験の要件と証明書類【建設業許可】

はじめに

はじめに

建設業許可の取得において、経営業務管理責任者(経管)と並んでつまずく方が多いのが「専任技術者」の要件です。

この記事では、専任技術者とは何か・証明の方法・実務でよくある問題点を、三重県の公式手引き・Q&Aをもとに解説します。

専任技術者とは

STEP 1専任技術者とは

専任技術者とは、建設工事に関する請負契約の適正な締結とその履行を確保するために、営業所に常勤して専ら職務に従事することを要する技術者です(建設業法第7条第2号・三重県Q&A Q3参照)。

申請する業種ごとに必要な資格または経験が異なるため、「どの工事をやるか(業種)」によって求められる要件が変わるのが特徴です。

📋 確認のポイント
1人の専任技術者が複数業種を担当することは可能です。
ただし、その方が各業種に必要な資格・経験をそれぞれ満たしている必要があります。
また、経管と専任技術者を同一人物が兼任することも条件を満たせば可能です。

証明方法

STEP 2証明方法

パターン①:国家資格による証明
比較的スムーズ

対応する国家資格を持っている場合、資格証の原本を提示することで専任技術者要件を証明できます。

主な資格の例
業種 対応する主な資格(例)
建築一式工事 1・2級建築施工管理技士、1・2級建築士
土木一式工事 1・2級土木施工管理技士
電気工事 1・2級電気工事施工管理技士、第1種・第2種電気工事士
管工事 1・2級管工事施工管理技士
とび・土工工事 1・2級土木施工管理技士、1・2級建築施工管理技士
内装仕上工事 1・2級建築施工管理技士、1・2級建築士
上記は一例です。業種ごとの対応資格の詳細は三重県建設業許可申請の手引をご確認ください。
1級・2級の資格で取り扱いが異なる点
区分 一般建設業 特定建設業
1級資格 ✔ 可 ✔ 可
2級資格 ✔ 可 ✕ 不可
特定建設業の専任技術者には原則1級の国家資格が必要です。特に土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7指定建設業では、2級資格や実務経験では特定建設業の専任技術者になれません。将来的に特定建設業を視野に入れている場合は、1級資格の有無を早めに確認してください
電気工事・消防施設工事は実務経験のみでは認められません。電気工事士免状・消防設備士免状が必須です。
⚠ 合格通知書は合格証明書受領前の暫定対応として使用可能ですが、最終的には合格証明書の提出が必要です。
✔ 監理技術者資格者証は有効期限が切れていても資格・実務経験として認められます。

パターン②:学歴+実務経験による証明
資格がない場合の選択肢①

所定の学科を卒業している場合、実務経験の年数を短縮できます。

学歴 必要な実務経験
高校(旧実業学校含む)の所定学科卒業 卒業後5年以上
大学・高専・旧制専門学校の所定学科卒業 卒業後3年以上
専修学校の専門課程(所定学科)修了 修了後5年以上(高度専門士・専門士は3年以上)
※所定の学科については手引き表3をご確認ください。学科が対象外の場合はこのパターンは使えません。

パターン③:実務経験10年による証明
資格がない場合の選択肢②

学歴・資格を問わず、10年以上の実務経験で証明できます(電気工事・消防施設工事を除く)。

実務経験とは

単に現場にいた年数ではなく、「どの業種の工事に・どのような立場で・どの期間従事したか」を客観的な書類で証明できることが必要です。

主な証明書類の例
・注文書または請書(工事名・期間・金額が分かるもの)
・請負契約書(工事の業種・期間が確認できるもの)
・請求書+入金が確認できる通帳の写し
・その他、工事内容・従事期間を客観的に証明できる書類
資格が必要な工事に無資格で従事していた経験は算入できません。資格取得後の経験のみが対象です。
解体工事業の実務経験は、建設業許可または解体工事業者登録を持つ事業者での経験のみが認められます。
2業種の経験を同時期に積んでも1業種分にしか算入できません。2業種で証明する場合は合計20年(各業種10年)が必要です。

実務経験の振替制度

STEP 3実務経験の振替制度

一定の条件を満たす場合、複数業種の実務経験を組み合わせて専任技術者要件を満たせる「振替制度」があります(Q&A Q26参照)。

振替が認められる条件
「営業所技術者等になろうとする業種での実務経験※」と「その他の業種での実務経験」を合わせて12年以上
 ※営業所技術者等になろうとする業種については8年以上の経験が必要です。
例)内装仕上工事の専任技術者になりたい場合:内装仕上の経験8年以上+大工等の経験4年以上=合計12年以上
※建築一式工事・土木一式工事から実務経験の振替えが可能なものの関係は以下の図の通りです。
建設業許可 実務経験の振替制度 関係図(Q&A Q26参照)
※振替が認められる組み合わせは限定的です。詳細は手引きまたは当事務所へご確認ください。

よくある問題と対応

STEP 4よくある問題と対応
「経験はあるが証明できない」
専任技術者でもっとも多い問題です。過去の注文書・請負契約書・請求書などが残っていない、会社がすでに存在しない、個人作業での経験で書類がないといったケースが多く見られます。
📋 確認のポイント
取引先への照会・通帳の入金履歴・当時の写真や日報など代替資料を検討します。
「証明できる経験」が必要年数分あるかを早めに確認してください。
「業種と経験内容がずれている」
例えば「内装仕上工事業」で申請しようとしているが、経験の大半が「建築一式工事」に近い内容だったという場合、業種の判断から見直す必要があります。申請する業種と実際の経験内容が一致しているかを事前に確認してください。
名義貸しは違法です
実態として在籍していない人物を専任技術者として申請することは建設業法違反となります。
発覚した場合、許可取消だけでなく5年間の欠格期間が生じます(建設業法第8条)。

当事務所でできること

当事務所でできること
🏛 行政書士髙橋大輔事務所(三重県鈴鹿市)

「資格がないが経験はある」「過去の書類が手元にない」という段階からご相談に応じます。手元の書類を確認しながら、証明できる経験があるかどうかを一緒に整理します。

初回のご相談・お見積りは無料です。お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

まとめ
証明
方法
国家資格・学歴+実務経験・実務経験10年の3パターン
電気・消防施設工事は実務経験のみ不可
重要
「経験があるか」より「証明できるか」
必要年数分の書類が揃っているかを早めに確認する
注意点
無資格での経験・解体工事の経験制限・名義貸しに注意
実態に即した申請が原則です

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【免責事項】
本記事は三重県建設業課発行の公式資料(令和8年4月版)をもとに一般的な情報提供を目的として作成しています。法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。
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