経審の必要書類一覧|技術者・決算・社会保険でよく止まるポイントを解説【三重県版】


はじめに

経審(経営事項審査)では、決算変更届・技術者の資格証・社会保険の領収書など、幅広い書類の準備が必要です。
しかも毎年内容が変わる部分があり、「去年と同じでいい」と思っていると当日に不備が発覚するケースも少なくありません。審査当日に書類が足りないと、その場では受審できません。
受付後の差し替えも原則できないため、事前の準備が特に重要な手続きです。
この記事では、経審で必要な書類の全体像と、実務でよく止まるポイントを三重県の手引きをもとに解説します。
初めての方も、毎年どこかで引っかかる方も、準備を始める前にぜひ確認してください。

書類の全体像

経審の書類は大きく「提出書類」と「確認書類」の2種類に分かれます。提出書類は申請書に綴じて提出するもの、確認書類は審査当日に提示するものです。

分類 主な内容
提出書類 申請書本体・工事経歴書・技術職員名簿・その他審査項目(社会性等)・経営状況分析結果通知書・収入証紙納付書 など
確認書類 前回の経審結果通知書・決算変更届(本人控)・技術者の資格証・社会保険の領収書・建退共加入証明書 など
ポイント:確認書類は当日に提示するものが多く、必ずしも提出(手元から離す)するわけではありませんが、不足すると審査が進まなくなります。あらかじめ揃っているか確認してください。

決算変更届関係の書類

前提条件

決算変更届が未提出だと経審を受けられません

経審の確認書類には直前2〜3年分の決算変更届(本人控)が含まれます。未提出の場合は経審前に整理が必要です。手引きには「未提出の方は審査が受けられませんので、必ず事前に提出してください」と明記されています。

決算変更届に含まれる主な書類

  • 工事経歴書(様式第二号)※経審用記載要領で作成
  • 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第三号)
  • 貸借対照表・損益計算書などの財務書類

経審用の工事経歴書は書き方が異なる

経審を受ける場合、工事経歴書は通常の決算届用とは記載要領が異なります。元請として請け負った工事の金額が多い順に7割を超えるまで記載し、そのあとで残りの工事を記載するというルールに従う必要があります。

金額は税抜きで作成します:課税事業者は消費税を除いた金額(税抜き)で作成します。免税事業者は税込みで作成します。税込みで作ってしまっていた場合は差し替えが必要です。

完成工事高に含められない業務に注意

工事の売上として計上できるのは建設工事の請け負いのみです。以下は工事実績に含められません。

  • 草刈り・除雪・剪定・施肥などの管理作業
  • 浄化槽の清掃・ボイラーの洗浄などの保守点検業務
  • 測量・設計・工事の監理業務
  • 建設資材の販売
  • 法面の草刈り・側溝の泥上げ(単独で発注されたもの)

技術者関係の書類

技術者関係はZ評点(技術力)に直結するため、書類不足が審査に大きく影響します。

確認書類

技術職員に関する主な確認書類

① 資格を証する書類

  • 合格証明書・免許証・登録証・免状・合格証書など
  • 監理技術者資格者証の写し(有効期限が切れていても可)
  • 監理技術者講習を受けた人は講習修了証の写しも必要
  • 登録基幹技能者は講習修了証(有効期限内のもの)の写し
  • 監理技術者補佐は主任技術者資格証+1級技士補の資格証の両方が必要

② 常勤性を確認する書類

  • 雇用保険事業所別被保険者台帳の写し
  • 標準報酬月額決定通知書の写し

常勤性の確認で止まりやすいケース

技術職員として計上できるのは6か月以上継続して雇用されている常勤の従業員のみです。以下のケースでは計上できません。

  • パート・アルバイト・有期契約(常勤ではない)
  • 他社に雇用保険が加入されている(他社との二重在籍の疑い)
  • 住所と勤務地が大きく離れていて常勤性に疑義がある
  • 保険加入状況と実際の雇用形態に不一致がある
注意:1人の技術職員が計上できるのは最大2業種までです。同一人物を3業種以上に計上することはできません。

社会保険関係の書類

社会保険関係はW評点(社会性等)に影響します。未加入の場合は減点になるため、審査基準日時点での加入状況を証明する書類が必要です。

保険の種類 必要な確認書類
雇用保険 審査基準日を含む年度の概算・確定保険料申告書(控え)+領収書
健康保険 審査基準日を含む月の保険料納入告知書・領収証書
厚生年金保険 審査基準日を含む月の保険料納入告知書・領収証書
建退共 建設業退職金共済事業加入・履行証明書(経営事項審査用)
法定外労災 審査基準日において有効な加入証明書
退職一時金・企業年金 就業規則・共済契約書・加入証明書など
従業員がいない場合:雇用保険・健康保険・厚生年金については、従業員が1人もいない場合や法律上の適用除外に該当する場合は「適用除外」として申請します。未加入(「無」)と混同しないよう注意してください。

その他の確認書類

書類 用途
前回の経審結果通知書 申請時点で直近のもの
建設業許可申請書(本人控) 申請日時点で有する全ての許可の最新のもの
消費税納税証明書(その1) 審査基準日後に発行のもの
CCUS事業者情報が確認できる書類 CCUSで就業履歴蓄積措置を実施している場合
ISO認証証明書の写し ISO9001・ISO14001取得の場合
エコアクション21認証・登録証の写し 取得している場合
建設機械の保有状況一覧表 建設機械を保有(リース含む)している場合
防災協定書の写しまたは証明書 国・都道府県・市区町村等と協定を締結している場合

よく止まるポイントと対処法

止まりやすいポイント①:決算変更届が未提出だった

最も多いケースです。審査当日に発覚すると受審できません。「最後に提出したのはいつか」を事前に確認してください。過去分がある場合は先に整理が必要です。

止まりやすいポイント②:技術者の資格証・講習証の有効期限が切れていた

監理技術者講習は受けた年の翌年1月1日から5年間有効です。登録基幹技能者講習修了証も有効期限内のものが必要です。技術者ごとに期限を一覧管理しておきましょう。

止まりやすいポイント③:工事経歴書の金額と契約書の金額が合わない

審査時に照合されます。提出前に工事経歴書に記載した金額と手元の契約書・注文書の金額を照合し、付箋などで整理しておきましょう。

止まりやすいポイント④:技術者の常勤性が証明できなかった

雇用保険の台帳・標準報酬月額決定通知書で確認されます。保険の加入状況と実際の雇用形態に不一致がないか事前に確認してください。

止まりやすいポイント⑤:完成工事高の業種振り分けが不明確だった

複数の業種が絡む工事(例:土木と舗装を一体で請け負った場合)は、業種ごとの振り分けが必要です。整理に時間がかかる場合は早めに着手してください。

事前に知っておきたいこと

税理士が作成した決算書をそのまま使えるとは限りません
経審では財務書類を消費税抜き(課税事業者の場合)で作成する必要があります。税理士が作成した通常の決算書が税込みの場合は作り直しが必要です。また、経審独自の工事経歴書の記載要領があります。
書類は受付後に差し替えできません
申請者側の事情での修正・差し替えは受付後にはできません。提出前に記載内容と確認書類の整合性を十分に確認してください。
毎年同じ書類が使えるとは限りません
技術者の退職・新規採用・資格の取得・保険の変更など、状況が変わると必要な書類も変わります。毎年内容を確認してから準備してください。

当事務所でできること

🏛 行政書士髙橋大輔事務所(三重県鈴鹿市)

「何を準備すればいいか分からない」「毎回どこかで止まる」という段階からご相談に応じます。書類の現状確認から整理・申請まで、トータルでサポートいたします。

初回のご相談・お見積りは無料です。お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

書類の
全体像
書類は「提出書類」と「確認書類」の2種類。決算・技術者・社会保険の3分野が中心
決算変更届が未提出だと経審を受けられない(最優先で確認)
注意点
技術者の資格証期限・常勤性・工事経歴書の金額照合でよく止まる
受付後の書類差し替えは不可。提出前に整合性を確認すること
対策
技術者の資格証・社会保険書類・工事実績を日ごろから一覧管理しておく
毎年継続して管理している会社ほど審査当日の準備がスムーズになる

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【免責事項】本記事は三重県建設業課発行の公式資料(令和8年4月版)をもとに一般的な情報提供を目的として作成しています。法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。
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